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アムリトサルとは?
[
パンジャブ(Punjab)州、アムリトサル(Amritsar)]
アムリトサルは、インドの北に位置し、パンジャブ州最大の都市です。アムリットサル、アムリッツァー(英語読み)とも表記することもあります。アムリトサルはデリーの北西約450kmにあり、2020年の日本でいう岩手県と同じくらいの人口です。
この町が栄えたのは、西から陸路でインドへ入ってくる際にはここが最初の町になったとのこと、つまり交易で栄えた町でした。アムリトサルは黄金寺院のお堀池の名前「アムリタ・サラス(不死の池)」から由来するらしいです。パキスタンの首都、ラホールとは目と鼻の先。親戚や祖先が国境を挟んで住んでいる人もいました。
スィク教徒の聖地、黄金寺院
そしてもう一つ特徴的なのは、アムリトサルがスィク教の聖地であるということです。そしてここには黄金寺院があり、たくさんのスィク教徒で毎日賑わってます。そしてスィク教徒以外の人にも広く開かれた場所になっています。
黄金寺院の中央にはグルと呼ばれる経典が置いてあり、参列者が常に長い列を作っています。そして、池の周りには屈強な若い、男性のスィク教徒が槍をもって警備にあたっています。寺院は四方に開かれていて、スィク教徒以外の方も、無料で入場することができます。
<黄金寺院内における参拝者マナー>
・履物を脱いで足を洗う(靴下も脱ぐ、靴をバックにいれて持ち運ぶのもNG)
・禁煙&寺院内には持ち込まない
・頭にバンダナを巻く(入り口で貸してくれるし、タオルとかでも良い)
・寺院内では足を寺院に向けてはいけない
・写真撮影は決められた場所のみ
スィク教徒の聖地であることを認識した上で上記を守っていれば大丈夫かと思います。入った感じ、老若男女、外国人、他州から来たインド人、多くの方がいますが比較的日本人は目に留まるらしく、なんかずっと見られている感じがしました。
場所と行き方
大きな国際空港があり、空からの便が便利。2020年3月現在だと日本からの直行便はなく、シンガポール経由かデリー経由ですかね。
Uber が便利!
2020年3月時点ではUberがとっても役にたちました!ホテルや黄金寺院近くの町中では5分くらいでサクッとつかまります。現金払いもできますし、ぼったくられることもないのでおすすめですね。
難易度:低
- 行きやすさ:〇
- 日本人・日本の会社を介した現地ツアーがあるか?:〇
- 環境(ホテルなどの施設が充実しているかどうか):〇
パンジャブ州最大の都市だけあって、ツアーや施設は充実してます。ですがツアーに頼らず、そのまま訪れても十分堪能できると思います。
ベストシーズン 11月~3月
夏は暑すぎて、冬はかなり冷え込みます。夏は暑くて耐えられないのですが、冬の方がまだ着込めばよいのでおすすめです。自分が訪れたのは2月中旬でした。昼は良いのですが早朝だとエントランスで足を水で洗うときは冷たくて思わず声が出そうになりました。。。。
入場料金 無料
黄金寺院自体に入るのは無料です。ただしターバンのように頭に布を巻く必要があり、オレンジ色の三角巾みたいな生地を売りつけにきます。生地は借りれるようですし、普通のタオルを使っても問題ないですよ。(自分はホテルのタオルを巻きました!)
スィク教の悲劇の歴史
少し、歴史を紹介しておきたいと思います。
スィク教は16世紀にできた宗教で合理的・現実的・寛容的な教えが特徴です。
ナーナクが沐浴中に啓示を受け、布教をはじめ徐々に教えが広まっていきました。グルは師匠、スィクは弟子という意味です。
スィク教はヒンドゥー教とイスラーム教を合理的に調和させようとしている宗教ということですが、スィク教徒にこのことを話すとちょっと事実は異なるらしい。
<スィク教の特徴>
5Kというルールがあり、これを守る必要があります。
ケーシュ:刈らない頭髪
カンガー:櫛
キルパーン:剣
カラー:鉄製の腕輪
カッチャー:膝下までの短ズボン
散髪しないため、長い髪をまとめるためにターバンを巻きます。またキルパーンと呼ばれるサーベルに近い刀剣は、インド国内でも帯剣が許されており、空港にも持って入れるとか。ただ、最近は小さいお守り用の刀剣を腰につけているケースが多いようです。
割と歴史が短い宗教の割には、悲惨な歴史がたくさんありました。イギリスやインド政府との痛ましい事件や難民問題など、調べれば調べるほど悲しい歴史に見えました。
<スィク教の歴史早見表>
・16世紀、初代グル・ナーナクが沐浴中に啓示を受け布教を開始。
・17世紀、1604年に第5代グル・アルジュンによって黄金寺院が完成。スィク教も拡大
・18世紀、ムガル帝国の衰退とともにさらに勢力を拡大。ランジート・シングにより・ホールを首都としたスィク教国を建国した(建国1801年)。この時スィク教全盛期。
・18世紀中盤、ランジートシング死後、跡目争いによって衰退した時にイギリスに介入、2度の大きな戦争を経て、イギリスに敗北し、スィク教国は滅亡した。
・19世紀前半、痛ましい「アムリトサル事件」が起こってしまう。非武装のアムリトサル市民に無差別発砲し1500人以上の死傷者を出す。その後、ガンジー率いる非暴力抵抗運動が加速。その後、インドは独立を果たすがインド独立の際はインド帰属を選択したため、パキスタン側に住んでいた多くのスィク教徒が難民となってインドへ押し寄せた。この時、開祖ナーナクの生まれたナンカーナー・サーヒブや、スィク教国の都であったラホールはパキスタンに属することとなった。
・19世紀後半、パンジャーブ州が誕生した。スィク教急進派が州政府の与党となると、徐々に反対派に対しテロ行為を行うようになる。治安悪化に伴い、自治権をはく奪、その後、1984年にはスィク教徒の聖地・黄金寺院にたてこもる過激派を排除するためインド政府軍を投入してブルースター作戦(黄金寺院事件)にて統治。ただ、この事件を皮切りにスィク教徒による、インディラ・ガンディー首相の暗殺。怒ったヒンズー教徒によるスィク教徒への迫害、スィク教徒による航空機爆破事件が起こり、テロの連鎖が止められなくなる。
・19世紀末期、パンジャブ州の自治権が戻り、州首相が暗殺されたなどの事件が起こるがこのころからテロは沈静化。過激派は一層される。
・20世紀、「アムリトサル事件」に対して、デービッド・キャメロンはイギリスの首相として初めて事件の現場に訪れ遺憾の意を表明した。
さて、長くなりましたがここからは実際に行ってみた体験記です!
アムリトサル・黄金寺院に行ってきました!
フライトでアムリトサル入りしました。緑も多くて肥沃な大地、ただ高いビルはあまり見られず、地方都市という雰囲気かなと感じましたね。インドの空港は、どこか無機質な硬そうな作りになっていて、ここもそんな雰囲気の空港でした。中はとても綺麗でしたけどね。徐々にアムリトサルに来た!って感じがしてきました。 アムリトサル風のダル料理「Amritsari chole と chole kulche」です。濃厚な豆カレーなんですが独特の風味がありますね。Kulcheも通常のものよりも太く、パリッとしてました。美味です。
アムリトサル中心の広場に大きなランジートシングの銅像がありましたね。ここから歩いて黄金寺院に向かいます。ランジートシングはラホールを首都としたスィク教国を建国した人です。いまでも崇拝されているんですね。
ちなみにSinghは獅子という意味で、古くはカースト制度に屈しないという意味でスィク教徒の男子につけられてました。今では北インドのヒンズー教徒も好んで名付けるそうです。
茶褐色の背の低い建物はインド・ラジャスタンの印象がありますが、町中に美術的な銅像がたくさんあったり、西洋を思わせるような建物もあり、多くの文化が交差しているのが一目でわかりました。
茶褐色の背の低い建物はインド・ラジャスタンの印象がありますが、町中に美術的な銅像がたくさんあったり、西洋を思わせるような建物もあり、多くの文化が交差しているのが一目でわかりました。
我々からすると大部分のインドの方に見えるのですが、ターバンをしてなかったりするところを見ると外州からここに訪れているインド人の方も多かったと思います。とにかくたくさんの方で賑わってました! みんななんだか楽しそう!
歩いていくと黄金寺院入り口にたどり着きました。サインなどもなく、ちょっと場所を見失っちゃいましたが、、、Googlemap通りでした笑。入り口は四方にあると言いますが、こちらがメインエントランスのようです。とにかくデカイ!しかも見た目は、ちょっとヨーロッパの主要な駅みたいに見えました。美しいですね。はっと息をのんじゃう感じです。
入り口向かって左側に靴を預けるところがあります。無料なのでカウンターに靴をだして代わりに札を受け取る仕組みです。英語の案内があまりないのですが、みんながやっていることなので、迷わずに預けることができました。
マナーとして靴下も脱ぐこと。靴をバックに入れて持ち込むのもやめた方が良いそうです。
ここからは、神聖な場所なので頭にタオルを巻きました。ホテルから持ってきたやつでしたがなにも言われませんでしたね。床が白い石なのでひんやりしていてかなり冷たかったです。靴下をはけると嬉しいけど、、、、神聖な土地なのでガマンガマン。
さて、ここから中に入ります。屈強なターバンをまとったスィク教徒が槍をもって守ってます。銃じゃないところがなんか良いですね。
手前は非常に浅い水洗い場になっていて、ここで足を洗って中に入ります。
入っていくと早速夕日に染まる黄金寺院が見えました。う、美しい。。。。うっかり見とれちゃいますね。
たくさんのスィク教徒がおり、黄金寺院に対してお祈りをしてました。外国人も多かったですね。写真をとっていたら槍を持ったスィク教徒にやさしく注意されました。どうやら写真を撮る場所は決まっているっポイです。でも、こんな神聖な場所なのに、外国人をフリーで受け入れる(しかも無料!)ってすごいことだと思います。
黄金寺院への移動は参拝者が多く並んでおり、4時間くらいかかると聞きました。。。なんか優先レーンもあったようですが、この日は断念しました。。。。
翌日、朝日を見に黄金寺院へ
本日の宿泊場所
とても雰囲気のよいホテルで、部屋も綺麗でした。黄金寺院までも近いのでお立ち寄りの際はぜひご利用くださいませ。
レストランはここしかなかったのですが、吹き抜けのカフェも併設されていてとてもゆったりできました。
ブッフェは、インドローカル料理の他にもサラダ類などがあり割と充実していました。もちろん日本料理も中華もなかったですね。
今回は、スィク教徒の聖地、アムリトサルの黄金寺院でした!ぜひ訪れてみてくださいね。