世界遺産情報 文化遺産 / 1983 Ref: 242
[登録理由]
- 人類の創造的才能を表す傑作である。
- ある期間、あるいは世界のある文化圏において、建築物、技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展における人類の価値の重要な交流を示していること。
- 現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。
- 顕著で普遍的な価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または明白な関連があること(ただし、この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
難易度:中
オーランガバードはややマイナーな都市なのでここまでくるのが難しい。そして1000年も見つからなかっただけあって都市からさらに車で2時間かかる。デリーかムンバイから飛行機でアウランガバードに移動して、ツアーでこの場所に訪れるのがいいと思います。が、時間がかかるのです。。。。
位置情報
オーランガバード空港から車で約2時間。一日体験ツアーでアジャンタとエローラを回るのが効率がいいと思います。
アジャンタとは?
デカン高原の北に位置し、アウランガバードの北西約100kmのところにある仏教寺院群、それがアジャンタ石窟です。ここには比較的保存状態のよい壁画や絵が石の洞窟に描かれていて、これが有名で世界遺産に登録されました。なぜかというとインドでは絵画は有名だったが、高温多湿の環境のため保存ができずほとんど消滅してしまっているらしいです。でもこの石の洞窟は良好な保存状態を保ち、きれいな壁画がいまでも見ることができます。
この壁画が描かれたのは紀元前1世紀と紀元前5世紀ごろ。それからほどなくしてアジャンターは放棄されだれもいなくなり、1000年もの間ジャングルの中で眠り続けていたのです。1819年にイギリス騎兵隊士官によって発見され、1983年に世界遺産に登録されています。
ベストシーズン
ジャングルの中で、日差しを遮るものがないので暑い4月~6月は避けたいところ。シーズンはやはり涼しくなる10月~3月くらい。月曜日はお休み!
料金:入場料 500Rs+10Rs (アメニティ料金)
入り口の料金所でRs10 アメニティ料金ということで支払う。
所要時間 2時間
割と外を歩きますので、水は途中で確保しましょう!
アジャンタ石窟 ギャラリー
見たい画像がありましたらクリックしてください。拡大してみることができます。
旅の軌跡
第一窟
最初から綺麗な壁画を見ることができるのでいきなりですが、結構みどころです!この第一窟は、ヴァーカータカ帝国の皇帝ハリシューナが開窟した美しい石窟。
法隆寺金堂に描かれた菩薩像のもととされる蓮華手の守護神。1000年以上前のものとは思えないほど保存状態がよかったです。
どこの石窟も何十年もかけて石を削り洞窟にしている。この柱ももともとは一つの石から削り取ったもの。新たに追加して作った柱ではないのです。
ブッタ誕生が描かれているらしい。ガイドから丁寧に説明いただきました。ブッタが生まれたときに神様に抱かれている絵のようです。仏教はあまり知らなったのですが、こんな絵まで残すというのはいかに信仰が深かったことがわかります。勉強してみようかなと思いました。
第2窟
中規模だけど保存状態とてもよい石窟。釈迦誕生の場面を描いているとのこと。
お釈迦様の誕生を描いた壁画のよう。なるほど。ふむふむ。生まれたばかりのスィッダールタ王子を抱える神様と見守るマーヤ―王妃が描かれているらしい。
第6窟
割と早い時期につくられた石窟で壁画はほとんど剥がれ落ちていたか、黒くくすぶっていてよく見ることができなかった。ただ当時よくこの石窟は祈りによく使われていたらしく、たくさんの人が出入りしていたような雰囲気が残っている。
第9窟
紀元前1世紀ごろはまだ仏像崇拝というものがなく、ストゥーパと呼ばれる彫刻に対して祈りをささげていたようです。
第10窟
こちらもストゥーパと柱に書かれた壁画がある。あとあと調べてみるとここの柱にジョンスミスが1819年に発見した時の落書きがあったようです。見落としました。。。。行かれる方は忘れないように!
第16窟
第16窟の左廊には“ナンダ出家物語”が描かれているらしい。ナンダの新妻が突然の夫の出家を聞いて気絶してしまったとのこと。これがその気絶した部分かどうかはわかりませんが笑、物語を知った上で壁画をみるとまた違った感情が沸き起こりますね。
第17窟
こちらも保存状態がよい、アジャンター石窟の1つの見どころになっています。壁画に描かれているのはブッタの前世をつづっているジャータカ物語とのこと。当時の豪華な生活がわかるように描かれている
第19窟
全体的に装飾が複雑になり、壁画だけでなく彫刻なども繊細に描かれている。
第26窟
アジャンターでもっとも華麗で豪華な石窟の一つ。柱には繊細な彫刻が一つ一つ彫られている。入って左に横になっている仏像(涅槃像)があり、まぁまぁ大きい。ただここもまだ未完成で放棄されている。
アジャンタ石窟ツアーはこれで終了です。2時間はかかったと思います。水を飲みながらの汗がだらだらのツアーでした。。。。。
入り口のレストランで昼食
死というものに対する価値観の違い
ここでゆっくりガイドさんとお話した。ある時、日本人とインド人との違いについてこんなエピソードを話してくれました。
日本人が3人ツアーで申し込んできた。その後ツアー前に3人のうちの1人が病気になりそのまま亡くなってしまった。その時、自分たちだけ楽しむわけにはいかないとツアーはキャンセルしたいと言い出した。しかしインド人のガイドは残りの2人はまったく時間も健康も問題ないのならツアーに参加すべきだと伝えた。またいつ来れるかわからないのよと
日本人の言っていることは理解するが、人は死ぬことは避けられないので「今を楽しむこと」がもっとも大切だということも語っていました。
人の死というものが日本人よりも身近にあり、だからこそ生というものにこだわる、インド人との相対的な考え方がとても興味深いと感じました。