世界遺産情報 文化遺産 / 1983登録 /Ref: 243
登録された理由
・人類の創造的才能を表す傑作である。
・現存する、あるいはすでに消滅した文化的伝統や文明に関する独特な、あるいは稀な証拠を示していること。
・顕著で普遍的な価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または明白な関連があること(ただし、この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
地図情報
エローラはムンバイと同じマハシュトラ州のオーランガバード空港から車で1時間で行ける。同じ世界遺産のアジャンタ石窟群と一緒にツアーで回るのが効率的です。
エローラとは?
エローラはカイラーサナータ寺院(ヒンドゥー教)を中心に一枚の岩を削り取った石窟です。8世紀中ごろから着手を始めて約1世紀以上も石を削り続けてできたと言われてます。100年以上も石工たちが岩をノミで削り続けたと言われます。想像を絶しますね。
エローラのとても面白いところは、ヒンドゥー教だけでなく、仏教、ジャイナ教がそれぞれの石窟分かれていながら同じ場所に共存していることです。それぞれ番号が付けられており、1~15番の石窟が仏教系、16~29番の石窟がヒンドゥー教系、少し離れた場所にある30~34番はジャイナ教の石窟になります。
16番の石窟になっているカイラーサナータ寺院はとても大きく、当時仏教やジャイナ教よりもヒンドゥー教が栄えていたことを表現しているように思います。また同じ場所に3つの宗教が並んでいたところから、インドの宗教の寛容性がうかがえます。
難易度:中
アジャンタと同じ、なかなか場所的に訪れないところでデリーかムンバイを経由してアウランガバード空港までくることになる。そこから車で約1時間程度。
営業時間 6:00 – 18:00
ベストシーズン
時期はアジャンタと同じく、暑い4月~6月は避けたい。またシーズンはやはり涼しくなる10月~3月くらいがベストシーズンです。ちなみに石窟は西向きが多いため、日差しが石窟の中まで届く午後に回った方が良い
入場料 500Rs (インド人 30Rs)
所要時間 約3時間
写真ギャラリー
気になる写真はクリックしてください。拡大されます。
エローラ石窟群に行ってきました!
[受付 正面入り口 インド人30Rs、外国人500Rs]
エローラは古い順番に第1~15窟までは仏教系の寺院。第16~29窟までヒンドゥー教、第30~34窟まではジャイナ教と順でならんでいる。
まずは古い仏教石窟群からみていく
第2窟 仏教石窟
ところどころ仏教っぽいブッタ像がたくさん並んでいる。やはり時間が経っているせいか劣化も見られる。3,4窟は未完成。
第10窟
まずは一番有名な仏教石窟である第10窟。
これまでとは違った彫刻に彩られている。なにかありそう!
仏教の石窟は、僧侶らが暮らすための僧院(ヴィハーラという)とストゥーパを祀るための塔院(チャイティヤという)が交互に作られている。そしてこの第10窟は唯一チャイティヤとして作られたもの。ここではお祈りをしている人も見られ、神聖な場所であることが伝わってくる。
ガイドがいきなり野太い声を発したと思ったら窟内全域に響き渡りとても心地よい響きに聞こえた。そういうのも計算して作られているらしい。
よく説法印はブッタが説法をするときに結ぶ印だとのこと。ガイドはトランプ大統領もこの手の形をしていると言っていた。7世紀に作られたこの建物はすでにストゥーパよりも仏像崇拝に切り替わっている時期だとのこと。
第12窟
まるでマンションみたいな石窟。3階まであり、広い講堂になっている。
第16窟 カイラーサナータ寺院(ヒンドゥー教石窟)
ここがエローラの最大の見どころカイラーサナータ寺院である。仏教の勢いが衰え徐々にヒンドゥー教が勢いをつけていく。そのような歴史の流れがあって仏教の石窟の隣にヒンドゥー教の石窟が作られている。
この基礎部分に作られた象は「宇宙を支える象」と言われていて、この寺院がシヴァ寺院であることを示している。
修学旅行中の学生が輪になって座ってなにか楽し気に話していた。奥にはシヴァ神の象徴リンガが安置されていて、いまでも崇拝されているとのこと。
さて次は第30窟~34窟はジャイナ教の石窟で、9世紀ごろに作られたものです。
第32窟 ジャイナ教石窟
ジャイナ教石窟の最大の見どころ。門をくぐって中に入る
自分が雇っているガイドが説明していると、うしろからたくさんのインド人がぞろぞろとついてくる。。。増えてるし。そして質問とかしてるし笑。ジャイナ教は仏教やヒンドゥー教よりも戒律が厳しく、肉類だけでなく、土の中で育つ食べ物(ジャガイモ等)も食べてはいけないということらしい。自分には無理です。。。